【夫婦御朱印】北政所御朱印に使用している印は?
8月3日、秀吉公とねね様の結婚記念日にご用意しています夫婦(めおと)御朱印。
その印影について、解説します。
秀吉公のほうは、言わずと知れた五七の桐紋です。そして、太閤印。既に当社の御朱印でもおなじみであり、こちらもご存じの方は多いかと思います。
では、ねね様のほうは、どんな由縁の印でしょうか。
上部の紋は、沢潟(おもだか)紋です。
農民出身で家紋のなかった足軽時代の秀吉公は、ねね様との結婚以降、
ねね様の実家由来のこの紋を使っていた時期があります。
新婚当時の家紋というわけですね。
下部の角印は、北政所黒印と呼ばれている印です。
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/18684 (文化遺産オンラインURL)
ねね様(北政所)は、秀吉公が戦地にいる間、大坂から物資や人を現地に手配する仕事を担っていました。その際に発給する公式な書類に押されたのが、この黒印です。
様々にお役目のあった戦国時代の奥方たちの中においても、ねね様のように自らの印を以って、公務を担っていた女性というのは、稀有な存在だったと言えるでしょう。
ねね様がこの印をいつから使用していたのか。
この不思議な印影は、文字なのか、模様なのか。
秀吉公の関白印と同様に、それについて明らかな史料は残されていません。秀吉公の印は、明との貿易に使われた糸印の流用とも考えられています。
ねね様の黒印の印影も、どことなく同系統の雰囲気がありますので、もしかしたら、秀吉公の印と同じような来歴なのかもしれません。
もし同ルーツの印なのだとしたら…天下人夫婦らしい、とっても素敵なペアアイテムですね!